学生時代、あなたが体育会やサークルでスポーツに専念してきたなら、それを自己PRでアピールしたいですよね?
ところが、自分は間違いなく本気で取り組んできて、チームの中でも上手い方なんだけど、有名な大会で優勝したような経験はない。しっかり練習もしてきたけど、そんな血のにじむような努力まではしていない。
こういうとき、どんなことを書けばいいか困っちゃいますよね?
むりやり小さな大会の優勝や、「地区大会6位」とかアピールするより、良い方法がありますよ。
あなただけのコツ・プレイスタイルをアピールする
本気でスポーツをやってきたあなたなら、「自分のプレイスタイル」ってありませんか?よく使う戦術だったり、得意技だったり。
そのプレイスタイルになった理由を掘り下げて考えてみましょう。あなたがそのスポーツを始めた直後、初心者の頃からどんな練習をして、どんな試合をして、どんな経験をしてきた中で、そのスタイルに出会い、それを自分の物にしていったのか、ということです。
このような「あなた自身の経験や考え方」は他の人とはかぶらないので、差別化になります。ヘタに大会優勝の話を持ち出すと、もっと大きな大会の優勝者がライバルにいた時点で不利になっちゃいますからね。
なぜそのプレイスタイルを選んだのか思い出す
たとえば、あなたがテニスをするときに「相手の右足を見れば、次の動きが読めるんです」という技術をお持ちだとしましょう(ここまですごくなくても大丈夫です(笑))
この例だと、「試合に勝つ」という目標に対して、「相手の動きを読む」という選択をしていますよね?
でも、試合に勝つ方法はいくらでもあります。錦織選手みたいに粘り強く拾いまくる方法もあれば、圧倒的なサーブを身につけて自分のサービスゲームは落とさない、という方法もあります。
数ある選択肢の中から、ひとつの方法を選んだことには理由があるはずです。
たとえば、体格が小さいからパワー勝負ではどう頑張っても不利だとか、身体を鍛えることよりも頭脳プレーが好きだから、とかですね。
こういう説明であれば、テニスをアピールしているライバルがたくさんいたとしても、まったく同じ選択をしてきた人はそんなにいませんよね?
PDCAサイクルに当てはめて、仕事への応用を連想させる
PDCAサイクルって知ってますか?
社会人になるとウンザリするほど聞かされますけど、何かの事業をするときに、Plan(計画)-Do(実行)-Check(検証)-Act(改善)という流れで進めると効率がいいですよ、という考え方です。
これをスポーツに当てはめると、こんな感じになります。
- 目標:試合に勝つこと/上達すること
- Plan:どんな技術を身につけるべきか考える
- Do:いろんな技術を試してみる
- Check:どの技術が一番効果的だったか考える
- Act:効果があった技術を練習する/効果がなかった練習を切り捨てる
あなたが練習している時は、いちいちこんなことを考えてはいないと思いますけど、無意識的にやってませんか?
自分のプレイスタイルを確立したときのPDCAサイクル
例えば、さっきの「右足を見れば動きを予測できる」人なら、きっとこんな風に習得するんだと思います。
- 目標:試合に勝つこと
- 自分なりの解決策:相手の動きが読めれば勝率は上がるはず
- Plan:どうすれば相手の動きを読めるか考える
- Do:試合ごとに、右足・左足・右手・左手・頭・目線・ラケットなどを観察する
- Check:どこを観察していた時が一番動きを読めたかを検証する
- Act:右足だったので、相手の右足を観察しながらプレイする練習を積んだ
あからさまに「PDCAサイクルを意識して…」とか話すと就活本で練習したみたいで不自然なので(笑)、話の中で自然に「試合に勝つためには、自分はこうするべきだと感じました。なぜなら、XXだからです。そこで、試合の時に相手のどこを意識するようにして…」と話せるようにしておけばOKです。
なんで優勝できないの?と聞かれたときは
面接の時、あなたならではのコツを自信満々に語ると、きっと「すごいですね。それだけ頑張ってるなら、大会でもいい成績を残されてるんですよね?」と聞かれます。僕だったら絶対聞きますよ(笑)
これはただの揺さぶりの質問で、どんな答えをするか自体は気にしていないんですが、ここであからさまに動揺しちゃったり、フリーズしちゃうとマイナスです。
なので、ここは正直に「いや~、実はそうでもないんですよ。卒業するまでに決勝進出したいとは思ってます。」とか、「大会では勝てていないんですけど、先輩には負けません。」とか、多少ポジティブに聞こえる答えを適当に作っておきましょう。
まとめ:あなたならではのコツやプレイスタイルは、オンリーワンの自己PR
あなたが部下を雇う立場だったら、どっちの人が欲しいですか?
- テニスで全国優勝した人:
「優勝したことで、厳しい練習でも頑張って続ければ、努力は必ず報われるということを学びました」 - テニス強くはないけど、プレイスタイルを説明できる人:
「身体は小さいけど試合に勝ちたかったので、自分にもできる方法を考えて練習し、実践した結果、大柄な先輩とも互角以上の勝負ができるようになりました」
テニスが仕事だったら話は別ですけど、2人目の方が仕事で使えそうな感じがしませんか?
このように、たとえ優勝経験がなくても、切り口を変えて説明すれば逆転勝利のチャンスがあるんです。是非あなたのプレイスタイルを見直して、そこからあなたの強みを探り出してください。