ここ最近、Yahoo!知恵袋などで近頃の就活生のお悩みを見ていると、とにかく「ブラック企業」と「社畜」に対する恐怖ばかりが先行していることを不安視しています。
もちろん、そんな社会人生活は送りたくないですよ。
でも、その割に多くの人が社畜への最短ルートを突き進んでいることに気付いていないように思います。
社畜への道その1:やりたいことが見つからない
選考段階で社畜予備軍
就活で苦しむ人の大半は、「自分がやりたいこと」が明確になっていません。
ここで、2人の登場人物を設定します。
- 社会人になってやりたいことが明確なAさん
- やりたいことが見つからないBさん
やりたいことが明確なAさんは、面接で「私は御社で◯◯がしたいです」と言いますよね?その内容が会社の仕事内容にマッチしていれば受け入れられますし、マッチしなければ落とされます。
ところが、やりたいことが見つからないBさんには志望動機がありません。とはいえ、内定を得るためには何かしら言わないといけませんから、それっぽい志望動機を作り上げて、本音では特にやりたくもないことを「御社でやりたい」と言うことになります。
Bさんのような志望動機は、心からやりたいと思っているAさんよりも薄っぺらい内容になるので、Aさんのようなライバルがいる場合は落とされます。そして、「心から御社の仕事がしたいです」というAさんタイプの人が少ない会社ほど、Bさんタイプは内定が取りやすくなるわけです。
つまり、誰もが行きたい人気企業の枠はAさんタイプでマッチングが良い人から埋まっていき、Bさんタイプが行ける会社は、Aさんタイプの思いが実現できないような不人気企業しか残らないわけです。
「御社の仕事がしたいです」と心から思っているAさんタイプが多く集まる会社とそうでない会社、どっちがよりブラックな可能性が高いと思いますか?
入社して社畜確定
選考の段階でBさんは社畜への道を歩みますが、うまいことマトモな会社に入れたとしても、Bさんはやっぱり社畜になるんです。
同じ会社・仕事内容・立場であっても、「やりたいこと」の有無により、社畜と感じるかどうかが決まります。
入社できたということは、選考の中で話した「やりたいこと」と、会社として「やって欲しいこと」が一致したから、内定が出たということです。
就活の段階でやりたいことが明確だったAさんにとっては、会社が「やって欲しい」といって振ってくる仕事と、Aさんの「やりたいこと」が一致していることになりますから、苦痛には感じません。やりたいことをやっているだけですからね。
もちろん、忙しい時期もあるでしょうけど、心からやりたいことを実現するためには避けられないと考えて、乗り切ることができるんです。
ところが、やりたいことが見つからなかったBさんが選考中に話した「やりたいこと」は本音ではありません。つまり、入社してから振られる仕事は、Bさんが実際にやりたいことではありません。
すると、AさんとBさんでまったく同じ仕事を振られていても、Aさんは充実した社会人生活を送っていると感じ、Bさんは社畜になったと感じるわけです。
危険なパターン「私はお客様を笑顔にする仕事がしたいです。」
やりたいことが見つからないと、社畜になる確率が高まるという理屈は分かったと思います。
では、やりたいことが「私はお客様を笑顔にする仕事がしたいです。」というCさんが、入社後に営業を担当することになり、半年経ったらノルマや対人関係に疲れて辞めてしまう仕組みを考えてみましょう。
これも、やりたいことをしっかり考え抜かなかったことが原因です。
どんな商品でも、巧みな話術で信じ込ませたり、騙されやすい客に売れば、騙されている客は笑顔で買ってくれますから、ただ「笑顔にしたい」という願いは実現できています。
なのに、Cさんは「こんなやり方じゃ嫌だ」と思っているわけです。
なぜそういうイメージ違いが起きるかというと、「どうやって笑顔にしたいのか」「なんで笑顔にしたいのか」などをまったく考えていなかったからです。
もしCさんが、「私は自分が自信をもっておすすめできる商品だけを、本当に欲しいと思っているお客様だけに販売し、お客様を笑顔にしたいです。」と言っていれば、押し売り営業をしている会社から内定なんて出ません。
内定が出なければ、そこで社畜になることはありません。
「ブラック企業は学生を騙して甘い言葉をかけてくる」と思った方もいるかもしれません。
中にはそういう会社もあるかもしれませんし、僕もブラック企業を擁護するつもりは無いんですが、そんなことをしても会社のプラスにはなりませんから、わざわざ騙して採用しているわけではないと思います。
採用活動にお金をかけて、数ヶ月分とはいえ給料や保険料を支払ったら、簡単に100万ぐらい飛びます。しかし、数ヶ月で辞めていく新入社員が100万の利益を上げているとは思えないので、それでは赤字ですからね。
まとめ
真相は誰にも分かりませんけど、「やりたいことが見つからない」という人ほど社畜化する可能性が高いことは間違いないと思います。
やりたいことが見つからなくて困っている人は、こちらの記事がヒントになると思うので読んでみてください。