自己PRを考えていく中で、これといった強みが思い付かず、学生時代に打ち込んだ…といえるようなものも出てこないとき、性格を使うことを考えますよね。
ですが、そういうタイプで「リーダーシップ」や「積極性」という性格をアピールできる人は、あんまりいないと思います。
そこで登場する、「縁の下の力持ち」・「空気を読む」・「聞き上手」といった、いわゆる「裏方」系の性格。
これを使いたくなるところですが、最近の会社がやたら求めるリーダー系人材とは正反対の存在だけに、うまくアピールできないとマイナスポイントになってしまいます。
そこで、裏方系のアピールをしたいときは、言葉をもっと細分化して、言い換えましょう。
言葉の細分化→その中のあなたの得意な部分に注目→それを発揮して成功させたエピソード、という流れで説明できれば立派な自己PRになります。
大前提:ネガティブ理由の裏方だと、即・お祈り
初っ端から厳しいことを言いますけど、あなたがネガティブな理由から裏方になることを選んだのであれば、自己PRでは違うことを話した方が良いです。
たとえば、「人をまとめるタイプではないから」とか「反論されて、揉め事にするのは良くないから」といった理由で「聞くことに徹するようになりました」というパターンです。
これだと、どんどん面接官に突っ込まれて、最終的には「自分の意見を出さず、ただ誰かに付いていくだけの社員になるだろう」というシミュレーションが完成し、お祈りです。
悪いことは言いませんから、あなたの約20年の人生の中で、絶対にあったはずの自己PRネタを思い出して、それを使ってください。
裏方系能力の細分化
さて、ここからが本題です。
冒頭にも書いたんですが、裏方系の言葉をもっと細分化して、そこにどんな能力が隠れているのかを明らかにしましょう。
では早速、「縁の下の力持ち」・「空気を読む」・「聞き上手」に含まれる能力を書き出してみます。これは僕の勝手な解釈なので、調べて補完してもらってもいいですし、あなたが意識している能力も是非考えてみてください。
縁の下の力持ち
- リーダーがやろうとしていることの先読み
- 先読みして、情報収集や事前手配を行う
- リーダーの指示があった時、リスクや不確定要素を発見する
- 発見したリスクや不確定要素に対処する
- リーダーが気付いていない落とし穴を教えてあげる
- リーダーの指示が不十分な時、それを補完するような指示をメンバーに行う
空気を読む
- チームで何かを議論・行動している時、各自の思いや全体の状況を把握できている
- 目標を達成するための意見は持っているが、主張する前に全体の話を聞く自制心を持っている
- 自分の意見を、全体の調和を乱さないように組み替え、それでも目標を達成できるような内容に組み替えられる柔軟性を持っている
- 議論・行動を妨げないタイミングで、メンバー全員が納得するような意見を提案できる
聞き上手
- 自分の意見があっても、まずは相手の話を落ち着いて聞くことができる
- 相手の話が抽象的なときは質問で返し、より話を明確にさせることができる
- 相手の話を整理して、「つまりこういうことですか?」と確認し、相手の理解も深めることができる
- 適切な相づち・返答をしながら、相手が話していて気持ちの良い状態にさせる
- これらの方法で、普通では引き出せないような内容を引き出すことができる
自分で書き出してみてビックリしたんですけど、これって結構な才能ですよね(笑)
日常会話で「空気読めよ!」とか言ってる中ではまったく感じられませんが、でも本当の意味はこういうことだと思います。なので、もしあなたが「そんな才能は持っていない」と感じたとしたら、それは裏方をアピールするには不十分な能力だったということです。
得意部分に注目してエピソードを思い出す
ここまで来れば、もうそんなに難しいことはありません。
あなたの強みを「空気が読めること」にしたいとすれば、上に挙げた項目の具体例を過去の経験から引っ張り出してくるんです。
たとえば、ゼミでイベントを開催しようという話になって、その内容を考えるミーティングをしていたとしましょう。
「こうすれば絶対盛り上がる」というネタは持っていた
↓
まずは全体の意見を聞いてみた
↓
良いと感じた部分をあなたの意見に肉付けし、不必要と思える部分を削った
↓
修正したあなたの意見を出してみた
↓
全員が納得してミーティング終了
↓
イベントも成功した
…みたいな感じです。
こんなエピソードがあれば受け入れられる可能性も上がりますし、具体的な経験なので質問されても対応できますよね。
自己PRの中身も言い換える
で、ここまでのネタがあるのなら「私の強みは、空気が読めることです」というのは勿体ないです。
むしろ「常に全体最適を意識して、チーム全員が納得する提案ができます。」とでも言った方が、すごい才能に聞こえます。
あ、何も考えずにこのフレーズを使うと、僕だったら150%「それは具体的に、どうやるんですか?」と聞きますから、聞かれてもいいようにしっかり考えておいてくださいね(笑)
まとめ:裏方系のフレーズを言い換えて、そのエピソードを語る
「私は意見を出すのが苦手だから聞き上手」では、絶対に会社の利益になりませんからダメなんです。
ですが、本当に裏方として優秀な才能を持っているのに、「縁の下の力持ちです」→「また裏方か~。バツ!」となってしまっては勿体ない。
あなたが裏方としてどんな才能を発揮しているのかをもう少し細かく考えて、そのエピソードを伝えるようにしましょう。