お正月も終わり、いよいよ就活が現実の物に思えてきて、自己分析を考え始めた頃でしょうか。
自己分析は「自分のなりたい姿をイメージすること」とか「ビジョンを明確にすること」が大切、などと言われますが、大学生活をエンジョイしちゃってると、なかなかそんなことは思い付きませんよね。
僕も学生時代はビジョンというほどのものは思い付かず、「兵器に触れられる仕事がしたい」という、なんとも物騒な願望しかありませんでした(笑)
※戦車や戦闘機など、いわゆる「軍モノ」好きのマニアだったため
ただ、少なくとも今後も生きていくつもりがあれば、「幸せに生きたい」という願望はあるはずです。
そのためにはある程度のお金はどうしても必要で、卒業していきなり自営業を営むのもハードルが高いですから、一旦は就職する必要があることはお分かりいただけると思います。
そこで、10年間のサラリーマン生活を経て、やりたいことを仕事にするために独立した僕の視点から、就職することを前提にした「幸せに生きるための3つの条件」を紹介します。
- 条件① やりたくないことは仕事にしない
- 条件② 人に評価/感謝される仕事をする
- 条件③ 体調を崩さない
それぞれが結構な長文になってしまったので、この記事では前編として条件①を紹介し、後編で条件②・③を紹介しますね。
条件① やりたくないことは仕事にしない
「やりたいことを仕事にする」と言おうと思ったんですが、まだ独立して3ヶ月しか経っておらず、この先も幸せなのかは正直まだ分かりません(今のところは幸せですけど)。
ただ、10年間働いた中で「やりたくないことを仕事にすると、幸せではなくなる」ということは分かっています。
このことを、僕が経験した3つの会社での経験から説明します。
1社目:仕事内容=大体やりたいことだったので、辞める必要はなかった
僕が新卒で入社したのは造船会社で、自衛隊向けの船の営業を担当していました。
自分の職場で、自分が大好きな自衛隊の船が造り上げられているんですから、そりゃ最高ですよ(笑)
さらに、試験航海に実際に乗船して何日かクルーズしたり(もちろん、中で仕事はしてますよw)、式典や視察で防衛大臣をおもてなししたりと、普通じゃ考えられない経験をさせてもらいました。
しかも、営業とは言ってもノルマはありません。
なぜなら、1隻何百億円で建造に5年かかる船なので、アポを取って売り込むような製品ではなく、仕事は客先との良好な関係を維持することだからです。
自他共にこれが天職だと思っていて、辞めるつもりは無かったんですが、ヘッドハンティングを受けて転職することにしました。
2社目:趣味を活かせる、29歳で年収1000万の仕事でも辞めた
ヘッドハンティングして転職した先は外資系の情報販売会社で、引き続き自衛隊向けの営業を担当しました。
その条件はこんな感じでした:
- 基本給:600万円弱
- 成績給:上限無し
- 残業 :ほぼ無し
- 休日 :土日祝日、有給は15日ぐらいだったような
基本給だけで前職の年収(残業も含め)の2~3割増しで、さらにそこから青天井の成果給が加算されるという好条件で、29歳にして年収1000万オーバーを経験しました。
こんな夢みたいな条件の仕事でも、やりたくないことには耐えられないんです。
なぜかというと、ノルマがあったからです。
1年目は、僕が入社する前の時点で上司が客先に対する営業・交渉を終えていて、僕はそれを引き継いでただ契約してもらっただけです。なので、ノルマ達成は簡単で、僕は前職と同じように関係構築をしているだけで評価されました。
しかし、2年目はそうは行きません。前職では関係構築を何年か続けて、その後の何百億の案件を受注すれば良かったのが、今度は毎年ノルマ分を売らないといけないわけです。
当時の僕では1年の関係構築でドカドカ売れるような能力は持っていなかったようで、ノルマが達成できそうにありませんでした。
そこで、少しでも多く売るために、「盛った」プレゼンをしてなんとか買ってもらうことを考えました。
つまり、客先がやりたいことの2割ぐらいしか実現できない製品を、「これを使えば、こんな風に実現できますよ!」と良い部分だけ見せて売り込む、というやり方です。
この作戦は成功することもありましたが、2つの理由から僕はすごく嫌でした。
お客さんに嘘をついている
僕自身、その製品では客先のやりたいことは実現できないと思っているのに、「実現できます!」と伝えている
買ってくれたお客さんから嫌われる
盛ったプレゼンとはいえ、買ってくれたのは僕を信用してくれたからです。
しかし、お客さんがその製品を少し使えば、「これじゃやりたいことの一部しかできない」と気付くんですよ。そうなれば、当然「だまされた!」って思いますよね。
せっかく1年かけて仲良くなったのに、これで「インチキ営業マンの唐沢」の出来上がりです。
こんなことを続けていたら、もう辞める直前の頃には、電話の受話器を取ってもダイヤルできない…という状態になりました。
上司からはノルマのプレッシャーを受け続け、僕はお客さんを騙したくないという思いがあり、この板挟みに耐えきれなくなって辞めました。
3社目:好きなものを扱う仕事じゃないと、面白くなくて辞める
2社目でノルマに苦しめられた反動から、次の転職では「ノルマ無し」ということだけを考えていました。
その結果、行き着いたのが監査法人の労務管理の仕事。
ノルマはありませんが、公認会計士ではなく財務にも興味のない僕にとって、趣味とはまったく関係ありません。
業務内容は、会社に対する会計監査を行う公認会計士たちが、1人に過度な業務が集中したり、暇人が出てきたり…ということを防止し、それぞれの業務量のバランスが取れるように調整する仕事です。
こういうパズル的な戦略を立てる作業は嫌いじゃないですが、「職場で船を見られる」とか「防衛省に立ち入って自衛官とおしゃべりできる」みたいな魅力が一切ないので、面白くなかったんですよね。
当初は、「仕事は仕事」と割り切ってダラダラと居座るつもりでしたが、片手間で始めたネットビジネスが成功して、そちらに注力した方が年収もやりがいも大きいと感じ、退職しました。
前編のまとめ
「20代で年収1000万」で、趣味を活かせて、しかもブラックと言うほど過酷な仕事でもないのに退職してしまうんですよ、人間って。
この経験で、好きなこと&やりたいことが両立できていないと、本当に幸せな会社生活は送れないということを確信しました。
「高年収の安定した会社であれば幸せになれる」というのは幻想で、危険な発想ですよ。
では、後編では条件②と③についても、詳しく説明していきます。