会社の経営理念だの企業理念だのって、意識するのは就職活動の時だけなんじゃないでしょうか?(笑)
半分イジワルで「当社の経営理念はご存知ですか?」という質問が来る可能性はあるので、志望度の高い会社の経営理念は暗記してもいいですが、はっきり言ってあなたから口にする必要はありません。
そう。「御社の経営理念に共感しました」という言葉も不要です。
10年間のサラリーマン生活で経営理念を意識したことがない
建前上は、会社がビジネスを行う上で最上級の判断基準になるのが経営理念、ということになっています。
ですが、「お金が一番大事です」なんていう経営理念はまずありませんし、「人を大事にします」というようなことを言っているブラック企業もたくさんありますよね(笑)
たま~に「なるほど!」といえるものもありますが、少なくとも僕の10年間のサラリーマン生活ではまったく意識したことがありません。
- 勤務した3つの会社の経営理念を覚えていたことがない
- 僕の就活の時に質問された記憶がない
- 面接官を担当したとき、質問したことがない
もしかしたら僕がサラリーマンのクズだったのかもしれませんが(笑)、上司や同僚で経営理念に基づいて行動していたと感じる人は見たことがありません。
経営理念に共感するのは当たり前
では、話を就活に戻しましょう。
僕が面接官をしていたときに、志望動機の一部として「御社の経営理念に共感したから」と話をしてくれた人が何人かいました。
それ言われても、面接官にはまったく響かないんですよ。
なぜなら、経営理念って万人受けすることしか書いてないからです(笑)
一例として、トヨタ自動車の企業理念を調べてみました。
(これが良い悪いという話ではありません)
- 内外の法およびその精神を遵守し、オープンでフェアな企業活動を通じて、国際社会から信頼される企業市民をめざす
- 各国、各地域の文化、慣習を尊重し、地域に根ざした企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献する
- クリーンで安全な商品の提供を使命とし、あらゆる企業活動を通じて、住みよい地球と豊かな社会づくりに取り組む
- 様々な分野での最先端技術の研究と開発に努め、世界中のお客様のご要望にお応えする魅力あふれる商品・サービスを提供する
- 労使相互信頼・責任を基本に、個人の創造力とチームワークの強みを最大限に高める企業風土をつくる
- グローバルで革新的な経営により、社会との調和ある成長をめざす
- 開かれた取引関係を基本に、互いに研究と創造に努め、長期安定的な成長と共存共栄を実現する
この手の理念としてはかなり細かく書かれていますが、僕の感想は「まぁ、そうですよね。」というものです。
あなたの自己PRだって、当然あなたの良い部分をアピールしているわけですから、万人受けする経営理念のどこかしらに当てはまるのは当たり前のことなんです。
※蛇足ですが…クルマ好きなら分かると思いますけど、このトヨタの企業理念から、スープラが絶滅してプリウスが台頭したことは説明できますが、86の登場はイマイチかみ合いません。企業理念なんてそんなもんです(笑)
経営理念を語ることで損をする
共感するのは当たり前と書きましたが、それどころか口にすると損をします。
どういうことかというと、他にも「御社の経営理念に共感しました」とか言っちゃう人がいるので、すると「志望動機=経営理念と言った人」として一括りにされます。
ここであらためて、会社が採用活動を行う理由を思い出しましょう。
会社は、会社の利益になる人材が欲しいんです。
「経営理念に共感したから働きたい」という人と、「自己PRした能力を活かして働きたい」という人がいたら、どっちの方が会社の利益になると感じるでしょうか?
当然、後者ですよね?
「志望動機=能力が発揮できるから」と感じてもらう方が有利になるんですから、「志望動機=経営理念」と思われるようなリスクは避けるべきです。
まとめ:暗記してもいいけど、自分からは話さない
経営理念については、質問されない限り、あなたから話題にする必要は一切ありません。
経営理念について語る時間があれば、自己PRしたネタについて補足した方がはるかに効果的です。
面接の最後の「何か質問ありますか?」の時に触れる必要すらありません。ヘタすると面接官も覚えてなくて、気まずい空気になります(笑)
聞かれたときに備えて志望度が高い会社の分は覚えていてもいいですが、あんまり意識しすぎないようにしましょう。