Yahoo!を開いたときに僕の目に飛び込んできた、ショッキングなタイトルのニュース記事。
好きなことを活かして脱サラしてしまった僕としては、読まずにはいられませんでした(笑)
かなり気になる内容だったので、参考文献も含めて調べたんですが、たしかに天職を見つけるために情熱を追いかけるのはダメそうです。
ではどうすればいいのかを必死に探しました。
そして、ちょっと安心しました。
必要なこと:「興味を感じる分野から、圧倒的なスキルを身につけること」
そう。
たしかに情熱ではないですが、興味を持てること。
「特に好きなこととか興味のあることなんて無い」な~んて言ってる人、やっぱりそれじゃ幸せになれないんですよ!
このニュース記事のポイント
まずは、ざっとこのニュース記事のおさらいをしましょう。
- 天職は夢を追いかけて手にしたのではなく、偶然の産物
- 好きなことを仕事にしてもしなくても、幸福度や収入は変わらない
- 仕事の情熱に一番大切なものは「他人様の役に立っている感」
結論:
「夢を追いたい」とか悩むヒマがあるなら、今の仕事でどうやって人の役に立てるか考えろ。
なんとも厳しいご意見です(笑)
参考文献から見る、天職に就くのに必要な5つの要素
僕が最初に目を付けたのが、同ニュース記事で最初に引用されていた”So Good They Can’t Ignore You”(Cal Newport著)。
もちろん手元に本はないので書評サイトをいくつかチェックしただけですが、そこには「満たされた、情熱的なキャリアを築く方法」として5つの手順が紹介されています。
①情熱を追い求めるな
この部分がニュース記事で引用されていたところです。
- 大半の人は自分がやりたいことなんて分からない
- 趣味レベルで好きだからといって、それで食っていくことは遙かに複雑で困難なこと
ここだけ見ると、情熱を追ってはいけないし、好きなことを仕事にしたらダメということになりますが…。
このパートは第1章に過ぎず、ちゃんと続きがあるんです。
②自分が追求するべきスキルとキャリアを見つける
いきなりハードルの高いことを言ってきました(笑)
でもよく読んでみると、「とりあえず興味を持つことをやってみろ」と。
そして、よく「自分には仕事に活かせるスキルなんて無い」と言う人がいますけど、Newport氏によれば「役に立つスキルとそうでないスキル、などという違いは存在しない」とのこと。
一例として、「(アメリカで)英文学を学んでいる人は見下されがちであるが、特定のライティング技術を磨き上げれば専門家として充分通用する」という言い方をしています。
そうして興味を持てる分野のスキルを活かせる仕事に就いたとき、いきなり仕事が好きにならなくても大丈夫。
「情熱はスキルを極めることの副作用」だそうなので、圧倒的なスキルが形成されていく内に、情熱は後からついてくると言うことです。
ただし、仕事を続けていてもやる気が増していかないのであれば、それは成長が遅いか、スキルが圧倒的とは言えないか、強みとキャリアがマッチしていないから。
これに気付いたら、キャリアを変えていくことを恐れるな、と。
…あれ?
要するに、「続けても合わない仕事は辞めてしまえ」って言ってます(笑)
③市場価値を高めるために、集中的な訓練でスキルを磨き上げる
無事に、興味を持てる分野のスキルを活かせる仕事に就いたら、今度はそのスキルを磨き上げます。
どれぐらい磨き上げるかというと、「他の誰かじゃ代わりが利かない」ぐらい。
ただ、バリバリ毎日の仕事をこなすだけでは不足だとNewport氏は言っています。
現状では達成不可能と思える目標を立てて、プロスポーツ選手のように、コンフォートゾーン(自分が快適と思える度合い)を超えて練習する必要があるとのこと。
挙げられている例は、厳しいプロジェクトを引き受ける、率直で厳しい評価を求める、自分の才能を磨くための新しい方法を試してみる、など。
これがうまくいっているかを判断する基準は「お金」。
お金はあなたが他人に与えた価値の対価なので、もらえるお金が増えたということは、あなたが与えた価値も増えた=スキルが上がった証拠ということ。
お金を目的に働くのではなく、もらえるお金を自分が与えた価値のバロメーターとして使う、という面白い考え方です。
④マスターしたスキルを武器に、仕事を取捨選択する
元のニュースの中でも、「仕事の情熱を決める要素」のひとつとして「自治性」を挙げていました。
つまり、自分がコントロールできる仕事の幅を広げるということですが、「昇格して仕事の幅を広げる」なんていう次元の話ではありません。
「圧倒的なスキルが身に付けば、仕事は選べる」ということです。
「他に代わりがいない」レベルのスキルですから、仮に今の職場である仕事を断った結果クビになっても、すぐに採用してくれる会社が現れるでしょう。
ここまで来ると、自分にとって最も魅力を感じる仕事だけに絞って生きていけることになりますね。
⑤自分のミッション(生きる目的)を見つける
「結局そこか」と思いがちですが、「これは絶対最後にやること!」と念押しされています。
Newport氏は、「自分のミッションの発見とは、科学における大発明と同じもの」という表現をされています。
つまり、大発明は最先端の知識や研究によりもたらされるものなので、先に圧倒的なスキルが身に付いていない限り、真のミッションなど見つからない、ということ。
まとめ
最初のニュース記事、「夢を追っても意味ないから、黙って働け」という意図を強く感じる内容でしたが、やっぱり本質は「興味のあることをやってみる」でした。
なので、夢はなくてもいいですが、満足できる仕事や幸せな人生を生きるためには、「自分は何が好きなのか」を知ることがやっぱり大事。
それを知ることができたら、その可能性を信じて、実際にそのスキルを活かせるキャリアに飛び込む。
表面的なニュース記事だけ読んで「やっぱり好きなことは仕事にできないのか」と諦めずに、興味を持てるスキルを仕事で通用するレベルまで磨き上げていきましょう。
そこまで磨き上げるのは大変ですが、だからこそ興味を持てる分野を選ぶんです。
参考サイト(英語):Business Insider
http://www.businessinsider.com/become-so-good-they-cant-ignore-you-2014-7