自己分析とは、大学時代の経験を思い出し、仕事に活かせるエピソードを見つけることです。
それが分かったら、そのエピソードを使って「私は◯◯力がある人間です。私は学生時代…」とアピールしましょう。
…なんてね。
もしあなたがこう信じているとしたら、就活で苦しむことになりますよ。
なぜかというと、それは自己分析の最終ステップであって、前半部分を何も考えていないからです。
正しい自己分析=やりたいこと&実現方法を見つけること
就活における正しい自己分析とは、こういうものです。
- 今後の人生でやりたいことを決める
- それを実現したい理由を考える
- 実現するのに必要なもの(職業・才能・財産…)を考える
- 実現に向けて、これまで取り組んできたことを思い出す
- やりたいことが、会社にとってもプラスになることを示す
冒頭に書いた「よくある間違った自己分析」は④の一部をやっただけで、その前にあるはずの「自分がやりたいこと」にまったく触れていません。
なぜこうなってしまうかというと…。
- 多くの人が「やりたいことが見つからない」と悩んでいる→①・②を見落とす
- やりたいことが見つからないので、それに必要なものも考えない→③を見落とす
- 「やりたいこと」を考えていないので、④の後半だけやる
- 「⑤は志望動機で話すもの」と考えて自己分析では考えない
思い当たるところ、ありませんか?
企業が求めるのは、正しい自己分析ができている人材
では、なぜ正しい自己分析ができていないと、就活で苦しむことになるんでしょう?
それは単純な話です。
同じ経験を持っている人でも、「この経験は、やりたいことを実現するために必要なんだ!」と思ってやっていた人の方が、たまたまその経験をしただけの人よりもイキイキしていて、やりがいを感じながら仕事をしてくれるからです。
そもそも、会社が採用活動をする理由は、「会社を儲けさせてくれる、優秀な人材が欲しいから」です。
- 巧みな営業トークで、製品をたくさん売れる人
- 優れた企画力で、売れる商品を編み出せる人
- 丁寧な接客で、リピーターを増やせる人
- ITスキルが高く、無駄な作業を効率化できる人
- 仕事が早く、1人で2人分の仕事を回せる人…などなど。
ここは分かりますよね?
学生時代の経験を説明することで、「私は会社を儲けさせる能力を持っています」と主張しているわけですから、この部分に限っては、間違った自己分析でもカバーできています。
しかし、これに加えて「しかも、それは私がやりたいことなんです」と言った方が、もっと熱意を伝えられると思いませんか?
正しい自己分析の威力
では、イベント企画の仕事をしたい人を例にして、間違った自己分析をしたAさんと、正しい自己分析をしたBさんの自己PRを考えてみましょう。
※ちなみにエピソードの内容も重要ですが、この記事では「やりたいことを決める」ことでどう変わるのかを説明したいので、敢えて省略しています。
間違った自己分析のAさん
私は企画力のある人間です。
大学のサークルで新しいイベントを企画したとき、私は◯◯が大切だと考え、先頭に立って企画しました。(エピソードは省略)イベントは大成功しました。
私はこの経験を活かして御社で活躍したいと思います。
よくある自己PRの例文で、「何がおかしいの?」と思った人もいるかもしれません。
では、正しい自己分析をしているとどんな自己PRになるのかを見てみましょう。
正しい自己分析のBさん
私の夢は◯◯なイベントを開催し、日本中を熱狂させることです。
なぜそう思ったかというと、過去に◯◯を体験した時に「この興奮を多くの人に味わって欲しい」と感じたからです。
私はこの経験が忘れられず、大学においても人々を熱狂させるイベントを開催したいと考え、サークルでイベントを企画しました。(エピソードは省略)イベントは大成功し、多くの学生が熱狂している姿を見て、私も大きな喜びを感じました。
私はより大きなイベントを成功させることで御社に貢献し、多くの人を熱狂させる夢を実現していきたいと思います。
会社目線で見たときに、AさんとBさん、どっちがより儲かるイベントを企画してくれると思いますか?
同じ学生時代のエピソードを使っていても、正しい自己分析をしたBさんの方が、より多くの人々を熱狂させられるイベントを企画してくれそうな感じがしますよね?
そういうイベントを成功させることで、会社も儲かるということをBさんが理解していることも、この自己PRから伝わってきます。
まとめ
自己分析の始まりは、「やりたいこと」を決めることからです。
つまり、あなたがもしも「やりたいことが見つからない」と悩んでいるとしたら、それは自己分析ができていないということです。
自己分析ができていなければ、説得力のある自己PRや志望動機は作れませんから、就活もうまくいきません。
あなたが一体どんな人生を送りたいと思っていて、そのために今までどんな選択をしてきたのかを、あらためて考えましょう。