自分を含め、ユーチューバーやらプロブロガーやらもずいぶん増えて、「そんなことで生計立てられるの!?」と驚かなくなってきた今日この頃、今度はゲームの腕前で食っていく「プロゲーマー」が注目されてますね。
こういう「新しい働き方」・「遊びみたいな仕事」の話が出てくると、必ず「ちゃんと働けよ」という人が現れます。
そんな人に向けて、一応10年はサラリーマンをやって、その後「ちゃんと働けよ」と言われる立場になった僕から一言。
会社員より、プロゲーマーの方がちゃんと働いてます
批判の根っこにあるのは「自分は頑張って会社で働いてるのに、あいつはゲームしてるだけでずるい」という嫉妬
「プロゲーマーみたいな想いを持った会社員」がいるとすれば、こんな人です。
- 与えられた仕事が大好き
- 気が進まない雑務でも文句言わない
- 成績もトップクラス
- なのに勉強熱心
はい、あなたはこんな人ですか?
…失礼ながら、たぶん違うでしょう。
というのも、これまで出会ってきた上司・同僚・取引先を思い出してみても、こんな人って100人に1人ぐらいですから。
そして、そんな人には「あいつはいいよな~、いつも楽しそうで」という冷ややかな目線を送っちゃいますよね(笑)
結局、「自分が仕事を楽しんでいないと、楽しそうに仕事してるヤツを見た時イラッとする」ということです。
とはいえ、そんなことを認めるのはカッコ悪いですから、「プロゲーマーが”まともな職業”とは言えない理由」を考え始めるわけです。
「プロゲーマーなんて仕事と呼べないよ!」という意見に反論
そこで、社畜時代のことを思い出しながら考えてみましたけど、やっぱり「プロゲーマーも立派な仕事」という結論に行き着きました。
仕事はつらい部分があるからこそ、仕事と言える?
「楽しそうでずるい」の元になるのがこの考え方。
これは分からなくもないです。
ミリタリーオタクである僕は、造船メーカーの営業担当として自衛隊向けの船に関する仕事をしていました。
トータルで見れば「趣味が仕事になる楽しい仕事」でしたが、もちろん中には嫌な業務もありましたし、夜遅くまで働くこともあり、全てを「喜んでやった」という感覚ではありませんでしたから。
でも、これってプロゲーマーだって一緒です。
ゲームをプレイしているのは楽しく見えるでしょうけど、苦手な対戦相手の攻略法を研究するために同じ動画をひたすら研究するとか、勝つために今までとは違うプレイスタイルに変えるとか、細かく見れば気が進まない作業があるはずです。
大会前日になって「飽きたから今日はやめよう」と言えないのも、納期の前日に休暇を取るわけにはいかないのと一緒ですよね?
社会貢献していない?
たしかに、プロゲーマーが何かを作ったり、誰かの役に立つという感じはしません。
しかし…。
会社で働いているからといって、大した社会貢献をしてるとは限りません。
プロゲーマーはたしかに物作りやサービス提供はしていないかもしれませんが、普通の会社員だって「俺みたいに社会に貢献しろ!」と偉そうに言えるほど貢献してないんですよ、実際。
ものすごく単純化して考えますけど、1000万人に愛用される製品のメーカーに勤めていて、社員が5000人いたとしましょう。
単純に社員数で割り算すると1人あたりの貢献は2000人分ということになります。
さらに、社長と平社員の貢献度が一緒なわけがありませんし、ヒラの中にも優秀な人・そうでない人がいます。
そう考えると、平均的な平社員1人あたりの貢献度って100人とかそんなもんでしょう。
だとすれば、プロゲーマーがYouTubeで公開しているプレイ動画に300人が熱狂するだけでも、そっちの方が貢献してるんですよ。
次ページ:プロゲーマーの位置付けは、なでしこジャパン
プロゲーマーは物作りやサービス提供という切り口からの社会貢献はしていませんが、最後にさらっと使った「熱狂」を提供するという貢献をしています。
熱狂を提供している立派な仕事といえば、プロスポーツ選手。
プロゲーマーがスポーツ選手と同格の存在だと言える理由、そしてなぜなでしこジャパンなのか、といったところを次のページで説明します。