先日、ニュースで「プロ野球選手が引退した後のセカンドキャリアで、会社員を選びたい選手が急増」なんていうニュースがありました。
まさかプロ野球選手まで、自分の強みを活かさずに「安定が欲しい」という理由だけで会社員を希望する人が増えているとは衝撃的です。
野球関係の職業に就けなかった元プロ野球選手は、一般企業に就職するのも大変、いきなり自営業で上手くやるのも大変と、だいぶ苦労されているんだそうです。
でもこれって、上手くいかない就職・転職希望者と同じじゃないですか?
つまり、新卒でも転職でも、一般人でもプロ野球選手でも就職の基本は一緒。
「自分の強みを活かす」ことです。
世間一般の人間より強い部分で勝負する
ではプロ野球選手の強みってなんでしょう?
「野球の仕事に就ければ苦労しないし、野球以外に取り柄は無い」と思われるかもしれません。
でも、それを言い換えると「プロの世界で通用した身体能力を持っている」ということになります。
たとえプロ野球の世界で戦力外通告を受けたって、一般人と比べたら比較にならない身体能力を持っているわけですよ。そして、それは野球以外には使えない、なんてことはありませんよね。
パッと思い付くだけでも、建設業とか宅急便に引越屋、トラック運転手など、いわゆる「ガテン系」を中心にその力を発揮できそうな仕事は色々ありそうです。(まぁ、これも広義には「会社員」ですから、厳密に言えば含まれるんですけど、たぶんこういうイメージではないでしょう。)
特にスポーツ経験が無い人でも、こういう仕事をこなしている人はたくさんいます。でも、彼らはその仕事のために体力トレーニングを受けたりしたことはないでしょう。
こういうガテン系の仕事なら、間違いなく重宝されると思いますよ。
しかし…、「そんな仕事イヤだ」という声が聞こえてくる気がします。
サラリーマン8年目のライバルに勝たない限り、サラリーマンにはなれない
では、ガテン系はイヤだからとサラリーマンになる道を選んだとしましょう。
プロ野球選手が引退するときの平均年齢は29歳だそうで、大卒を基準にすると7~8年目あたりとなります。
これぐらいの年代だと、普段からやっている標準的な業務なら1人でコントロールすることができるようになっていて、ちょっとしたプロジェクトのリーダーだって経験しているでしょう。
つまり、会社は29歳に対してそのレベルの人を期待していて、転職市場ではこういう人達と勝負する必要があるんですが、プロ野球選手はこの7~8年ひたすら身体を鍛えていて、ビジネスの実務経験なんて無いわけです。
一般企業の面接にサラリーマン8年目の人と、プロ野球選手が来たとして、「仕事ができそうな人」を採用したい会社側としては、そりゃ元サラリーマンを採用したくなりますよね?
プロ野球球団が新人選手を選ぶときに、野球未経験の学生なんて選びません。これとまったく同じことです。
ガテン系で活躍するか、サラリーマンを目指して落ちこぼれるか。どっちが幸せ?
ガテン系の仕事をすれば、基本的な仕事の流れとかは覚える必要はあるものの、そこさえ乗り越えれば同僚よりも重たい荷物を運べて、長時間動き回れる。
「さすが元プロ野球選手!」と、会社の中でも貴重な存在になれると思います。
一方、サラリーマンになろうと思っても、そう簡単にはなれません。簡単には入れるのは、社員の出入りが激しい(=使い捨て)のブラック企業がいいところ。
体力はあるわけですから、たしかにブラックでも耐えることはできるかもしれませんが、仕事をする能力自体は劣っているわけですから、会社に評価されたり、仕事を楽しむといったことはできないでしょう。
そんなサラリーマン生活で、将来にわたって安定収入が確保できるとも思えません。
世間的にはあまりいいイメージはないですが、自分が輝けるガテン系。世間的には「ちゃんとした仕事」であるサラリーマンになれたとしても、仕事でなかなか成果を上げられず、仕事も楽しめない。
それだったら、輝くガテン系になった方が幸せじゃありませんか?
現役時代に練習するべきこと:いかにファンを喜ばせるかを考える
だいぶ暗い話になりましたけど、今すぐ引退するわけじゃないでしょうから、準備することはできます。
もちろん、選手として活躍してガッポリ稼いで、引退後に働かなくても生きていけるようになるのが理想です。
ただ、「万が一」を考えるのなら、「二流の選手の立場で、いかに人を喜ばせるか」を考えて、実践しましょう。
有名選手と違って、手を振ったりサインしたりするだけではダメです。「誰?」ってなりますから(笑)
たとえば、プロ野球選手を目指す人に対して、日々のリアルな現実をつづる自虐系ブログ、ファンが喜びそうな大物選手の裏側を紹介しちゃうブログ、「実際にプロ野球球団で行われているトレーニング術」みたいな情報サイトなどなど…(もちろん、公開できる範囲で)
こんな情報は、プロ野球の世界の内側からしか絶対に発信できません。プロ野球の世界に生きているということ自体が大きな「強み」なんですよ。
「どうすれば、自分の強みを活かして人を喜ばせることができるか?」を常に意識するクセが付いている人は、ビジネスを始めても成功しやすいです。
プロ野球選手も、普通の就転職希望者も、いかに自分の強みを活かして生きていくかを意識することが、幸せな人生への一番の近道です。