人生において、挫折なんて無いに越したことがないのに、なぜか就活では必ず聞かれる「挫折したことありますか」という質問。
あなたが本当に何か大変なことを経験されて、それを乗り越えてきた経験があれば、ありのままにその話をすればいいんですけど、僕のように「挫折」なんていうほどの大それた経験が無いと、困ってしまいますよね。
あなたの「そこそこ大変だった経験」を「挫折」と表現してしまうと、「その程度のことで挫折だと感じるほどメンタルが弱い？」と誤解されるリスクがあるので、よほどの自信が無い限りはオススメしません。
とはいっても、就活の他の質問と同様、「ありません。（終了）」ではマイナスです。そこで今回は、「挫折が無いこと」自体を強みにしていく考え方を紹介します。
「挫折」が無いとは？
そもそも、挫折したことがないということはどういうことでしょうか？同じ表現でも、実は2つのパターンがあります。
- 人生のどん底に突き落とされるような経験はしたことがない
- 普通の人なら「もう人生どん底だ」と感じることなのに、本人がそう感じていない
人生のどん底に突き落とされるような経験はしたことがない
あなたが、いわゆる「挫折」と呼ばれるような経験が思い当たらないのだとすれば、このパターンです。
就活だと悩みの種になってしまうんですが、よくよく考えてみれば「挫折の無い人生」ってハッピーですよね？たしかに大きな苦しみを乗り越えた経験は良い人生経験だとは思いますが、一生挫折せずに済むのなら、乗り越えた経験が無くても困らないんですから。
なので、そんなあなたは「挫折を回避した経験」を思い出しましょう。「失敗しそうだったけど、何か手を打ったので大丈夫だった」とか、「とにかく失敗しないように入念な準備をしている」とかです。
会社は「挫折経験者募集」と言っているわけでは無く、欲しいのは「失敗しても這い上がってこれるタフさを持った人材」です。でもそれ以前に、ビジネスにおいても失敗しないに越したことはありません。
失敗という結末を迎える前に対策を考えて実行できる人や、入念な準備に基づいて失敗の確率を下げられる人だって、貴重な人材ですよ。
ですから、バイトでもサークルでも、あなたが適切な対応や入念の準備をした結果、なんらかのトラブルを防げたような事例をアピールしましょう。
普通の人なら「もう人生どん底だ」と感じることなのに、あなたがそう感じていない
あなたが「挫折なんていうほどの経験はない」と思っているのに、普通の人にとっては「挫折」と思えるような経験を実はしている、というパターンです。
家族やお友達から「あんな経験してるなんて、大変だったね。」と言われるようなことはありませんか？
たとえば、小さい頃に親御さんがお亡くなりになった、親御さんの仕事の関係で2年おきに転校していた、災害で大きな被害を受けた、大きなケガをした…など。
このような経験があるのに、あなたが挫折だと感じていないのだとすると、かなりメンタルが強い証拠です。つまり、大変な目に遭ったのに「挫折だなんて、そんな大げさな」と受け流せたり、「別に乗り越えるというほどのことはしてないけど…」と言いながら、実は乗り越えているということです。
このパターンの場合、会社が求める「タフさ」はすでに持っていることになります。仕事で大失敗してもどん底気分にならず、サラッと「さて、この先どう進めようかな」と対応していける人材だということです。
親御さんとの死別・離婚・お仕事の影響や、あなた自身の病気やケガ・犯罪や災害による被害・人間関係のトラブルなど、他の人から「大変だったね」と言われるような経験がないか、思い出しましょう。
まとめ：挫折の有無はどうでもいい。欲しいのはそれを乗り越える力
結局のところ、これもあなたの自己PRを裏付けるエピソードが欲しいから聞く質問です。
「私はとてもタフな人間です。」とだけ言っても信用されませんが、「こんな大変な経験を乗り越えてきました。」というエピソードがあれば信用されますよね？
たとえば、「私はとても慎重な人間です。なぜなら、◯◯を実施するにあたり、××を入念に行った結果、スムーズに実施できました」とか、「私はとてもタフな人間です。なぜなら、高校生の時に◯◯をケガしましたが、『早く部活に復帰したい』という一心で治療に専念し、◯日後には学校に行ってました。」とかですね。
このように、挫折してもおかしくないような出来事を未然に回避したとか、普通は挫折してしまいそうなところをタフなメンタルで乗り越えた、というような話に持っていきましょう。