官公庁や役所に提出する様々な書類、「指定の様式で提出のこと」ということで、少しでも効率良く作りたいですよね。。
一昔前は頑なに「手書きで」と言っていたのが気持ち進化した結果、「印刷すると紙の様式とまったく同一になるExcelファイル」→「神エクセル」が誕生したことは、官公庁とお仕事されている方はよくご存知のはず。
@konotarogomame 政府に限らず、役所関係の書類、あるいは統計データの書類で、『四角い枠を書く』目的でExcelを使わないで欲しいです。あと、全角文字と半角文字を混ぜない。数字を入れるべき場所に文字を混ぜない、など。
— Foobirds (@cinnamondiary) October 21, 2016
「神エクセル」は、セルの大きさや罫線の配置を芸術的にアレンジして徹底的に紙のレイアウトを再現した結果、ひたすら1つのセルに1文字だけ入力し続けて仕上げるという、とてつもなく効率が悪いファイルです。
…たしかにペンで書くよりは楽だけど(笑)
僕自身も、かつて某A省関連のお仕事をしていたときに神エクセルと格闘していたので、当時の経験を元に、エクセル中級者が20分あればできる効率化の方法を紹介します。
どの官庁でも応用できる「超神エクセル」作りました
たったひとつの関数さえ理解できれば、普段からエクセル使ってる方ならすぐに作れます。
しかも、エクセルで作られてさえいれば、どんな官庁・役所・会社の様式にも同じ方法で応用できます。
※シート保護がかかっていて、編集できない場合を除く
- メリット
普通の文字列として入力できるので、データとして使える
1マスずつ入れる手間がなくなるので、入力が圧倒的に早くなる
1文字ずつではない、「データベース化できるデータ」が残る - デメリット
「MID関数」を理解できるエクセル中級者が必要(すぐ分かりますけどw)
神エクセル→超神エクセルの進化には20分ぐらいかかる
(でも、一度やればずっと流用できる)
①「入力用シート」に普通に文字として入力する
②すると勝手に「神エクセル」側の枠に、1文字ずつ文字が入る
このエクセルファイルはこちら
※入力シート内のセルをクリックすると、いちいち神エクセル様式シートに飛んじゃうのは、文科省がムダに付けたマクロのせいなので文句言わないでくださいw
超神エクセルの作り方
①元々ある様式のシートとは別に、シートを追加する
「入力シート」とでも名前を付けておきましょう。
②追加したシートに、住所・氏名…など、様式にある項目を追加する
入力シートの見栄えは様式にまったく影響しないので、ベタ打ちで大丈夫です。
③それぞれの項目を普通に入力する
ここに入れた内容がそのまま様式に反映されるので、たとえば住所を「1-1-1」にするのが「1丁目1番地1号」にするのか、といった部分はあらかじめ決めておきましょう。
空白が必要な場合も、この時点で空白を入れておくのが楽です。
④様式のシートに移り、1つのマスにMID関数を入れる
超神エクセルのキモとなる関数の入力です。
MID関数とは
MID関数とは、「指定したセルの◯文字目から◯文字を表示する」という関数です。
これだとよく分からないので、実際のMID関数を見てみましょう。
様式の1マスに郵便番号の数字を1つ入れる代わりに、この式を入れます。
これは、「入力シートのB1セルに入っている文字列の、1文字目から1文字を入れる」という意味です。
この例では「入力シート」のB1セルには郵便番号の「1008959」が入力されていて、その1文字目は「1」、そこから1文字というのも「1」なので、結果として様式には「1」という数字が入ります。
⑤全てのマスにMID関数を入れる
ハイ、あとは超単純作業の連続です。
郵便番号の2マス目に入れる式はこうなります。
これは「入力シートのB1セルに入っている文字列の、2文字目から1文字を入れる」という式です。
すると「1008959」の2文字目から1文字、「0」が入ります。
あとは、郵便番号の7桁目までMID関数の後ろから2番目の数字を「3、4、…7」と変えていくだけです。
ちょっとだけ作業が楽になる、絶対参照を活かしたコピペ
もしかすると、先ほどから登場しているこの式の「$はなんだ?」と思った人がいるかもしれません。
ただB1セルを参照するだけなら、これでもいいはずです。
この$マークは絶対参照と言って、このセルを他のセルに引っ張ってコピーしたときに、参照セルが変わらないようにするためのものです。
エクセルの基本の1つですが、本題からずれるのでここでは詳しく説明しません。
⑥他の項目も、まったく同じようにMID関数を入れていく
郵便番号が終わったら、まったく同じように次の項目、たとえば住所に移ります。
住所が入っているのはB2セルになりますから、住所のマスの1文字目はこうなります。
すると、「東京都千代田区霞が関3丁目2番2号」の1文字目から1文字の「東」が入ります。
ということは、住所の2マス目は、もちろんこう。
2文字目から1文字分の「京」が入ります。
あとは、郵便番号同様にコピペ、他の項目も参照セルを変えながら入力していきましょう。
最初は大変だけど、1度作ればあとはメチャクチャ楽になる
超神エクセルを最初に作る時は、ハッキリ言って1文字ずつ入力するより大変です。
でも一度作ってしまえば、以降は「入力用シート」にただ打ち込むだけで様式が完成します。
同じ様式を3回以上使うなら、それ以降の効率化分で充分に元は取れます。
産みの苦しみと思って頑張りましょう。
最初に書いたとおり、事務担当の職員や新入職員でもコツを掴めばできますから、彼らに最初の超神エクセル作りを任せてしまえば、それ以降は研究者が時間を取られることもなくなります。
マクロを使いこなせるエクセル上級者がいれば、「横のセルにコピーして、数字を変える」という作業も自動化できるはずです。
なんなら、A4用紙1枚あたり10万円ぐらいで請け負いましょうか?w
ここまで説明すれば、ほとんどの役所や会社で誰かしらができるようになるはずです。
でも、放っておくと官庁はすぐシステム屋さんに対して「調査研究:何百万」「効率化システム構築:ウン千万」とかやり始めるので、サンプル作りとして1枚10万と提示しておきますねw
僕は、社会人になった直後にこのシリーズを1冊読んで、あとは先輩の作ったシート眺めたりググったりするだけで、この程度できるようになりましたけどw