もう1週間前の話になりますが、「人狼ゲーム」ってやつを初めてやりました。
人狼と言えばProduction IGの映画で、装甲服を着てMG42を持った機動隊が…という話ではなくて、アナログゲームの方です。
実際に自分でやるときまでは、「頭の良さそうな人が、何人かで騙し合いをするゲーム」ということぐらいしか知りませんでしたが、いざやってみるとこれは想像以上に知的なゲーム。
上達したら間違いなく仕事できるようになりますよ、これ。
上達すると、会議で一目置かれる存在になれる
ゲーム内容の前に、その効果を言いましょう。
たとえば、会議中に予期しない反対意見をぶつけられたときに、とっさに相手の言い分を分析して論理的に返す…、こういうカッコいい能力が身に付きます。…上達すればねw
そして、想像してみてください。
会議であなたのサイドに立っている人が、相手の鋭い反論に「うっ、そう来たか…」と思った瞬間には、あなたは動じることなく論理的に言い返す。「おぉ、なんかすげぇ」と思われること間違いなし。
さらに、相手も会心の一撃をお見舞いしたつもりが、あっさり返されたら自信喪失ですよ。
初体験の僕にはまったくマネできない芸当ですが、当日ご一緒した経験者を見ていると、「きっと普段からこうやってバリバリ仕事してるんだろうな~」と感じました。
ゲーム内容:強いて言えば、名探偵コナンの犯人捜し?
細かいゲーム内容は詳しい解説サイトに任せることにして、僕なりの説明と考え方を書きます。
アニメの名探偵コナンって、大体こんな展開ですよね。
- 放送時間の後半に入ると「犯人はこの中にいる」→「えぇぇ!」ってなる
- 登場人物同士で「お前ならやりそうだ!」「私にはアリバイがあるわ!」とかスッタモンダする←ここが人狼ゲーム
- 最後に「眠りの小五郎」が証拠を元に真犯人を追い詰める
あの感じに似ている気がします。
登場人物:数名の共犯者&多くの一般人(名探偵と警察は不在)
「人狼」という名前は登場人物から来ていて、村人と狼(村人になりすまして見分けが付かない)が登場します。
僕が参加したときは参加者14名で、狼が3人と村人が11人。
狼はどの3人が狼か分かっていて(だから共犯者)、村人は誰が狼(真犯人)かは分からない。
だから狼は「俺は村人だ(=俺は無実だ)」とウソをつき、村人は「俺は村人で、狼(犯人)はお前だ!」と言い合うわけです。
コナンとの違いは、登場人物が死んでいくこと
人狼ゲーム、昼と夜が繰り返されるターン制になっています。
昼は上に書いたような狼探しをして、議論の結果、狼とされた人を多数決で処刑するターン。
夜は狼が村人を食い殺すターン。
狼は誰が村人か分かってますが、村人は誰が狼か分からない。なので、議論の中でうまく狼を割り出して昼のターンで処刑できないと、どんどん村人が食われて負けてしまうわけです。
逆に狼は、いかに村人であると信じ込ませるかがカギ。
ただ、これだけだと議論の根拠になるものがありません。
だから、実は特殊能力を持った村人が設定されます。
ゲームを動かす、村人か狼かを判定できる役割の人
村人の中には、占い師や霊媒師という役割の人がいます。
占い師はまだ生きてるプレイヤーを、霊媒師は前のターンで処刑されたプレイヤーを、村人だったのか狼だったのかを知ることができます(1ターンに1人だけ)。
無理やりコナンに例えると、事件の目撃者ってとこですかね。
ゲーム開始時点では、村人の中に占い師・霊媒師がいることは分かっていても、誰なのかまでは狼にもわかりません。分かっているのは本人だけ。
なので多くの場合、ゲーム序盤で占い師のAさんが名乗り出て「自分は占い師なんだけど、Bさんは村人でした」とか宣言するところからゲームが動きます。
それが事実なら、村人はBさん以外を処刑しますし、狼は夜のターンで厄介な能力をもったAさんを狙います。(犯人としては、目撃者を消したいという感覚です)
ところが、そう単純ではないんです…。
最大のポイント:ウソをいかに見破り、いかにウソをつき通すか
この名乗り出たAさん、実は狼がウソをついているのかもしれない。
または、Aさんが占い師だと名乗り出た後に、Cさんも占い師だと言い始める。
もしかしたら2人ともウソで、真の占い師は黙ってるDさんかもしれない…なんてこともあり得ます。
そこで、彼らの言い分を聞いて、「なんでそこまでBさんが村人だと主張するの?」とか聞いてみたり、Bさんが「私は村人なんで、Aさんは本当に占い師だと思うよ」と言ったりしながら、狼探しを進めていくわけです。
またコナンで例えると、物的証拠が無い中で全ての登場人物から話を聞いて、不自然な点がないかを洗い出していく感じですね。
他にも、狼から1人を守れる役割とか色々あるんですけど、文字で説明するのは無理なのでこの辺で^^;
白熱すると、もはや本格的なディベートの域
こうしてゲームが進展して、慣れたプレイヤー同士が議論を始めるとすごいんですよ。
「本当の占い師はCさんだよね。なぜならさっきAさんが言ってたことは、さっきFさんが言ってた◯◯と矛盾するし、Cさんの言ってることが正しいと◯◯と辻褄が合う。だから、執拗にCさんを狼だと主張していたGさんこそが狼だ」とかスラスラと^^;
それに負けじとCさんが反論して…というのを見ていると、もうついて行けませーん(笑)
人狼ゲームで身に付く能力
ここまでで伝わったかどうか自信ありませんけど、人狼ゲームに慣れたらこんな能力が身に付きます。
論理的思考力
これは説明不要ですね。
戦闘思考力
戦闘思考力とは岡田斗司夫さんの造語で、議論しながら次に話すことを考える能力のこと。
論理的思考力だけだと、言われたその場ですぐに返せないことがあるんですよ。
というのも、僕はじっくり読んで考えて、そこから論理的に書き起こすことはできますが、リアルタイムで論理的に返すのが苦手なんですよね~。
人狼ゲームの参加者は待ってくれないので、戦闘思考力の強烈なトレーニングになります。
平然とウソをつく能力
まぁ、ハッタリをかます能力ですねw
シンプルな例が、狼が「自分占い師だけど、Bさんは村人だよ」と言って、他の狼をかばうような時です。
これを極めれば、客先にプロジェクトの進捗報告をしに行くような時、実は社内では大炎上しているのに「順調です。なんの心配もありません。なぜなら…」とか平然と言えるようになるはず(笑)
折れない心
ゲーム中、当然自分が狼としてウソをつくことだってあるわけです。
なのでウソをもっともらしく話すわけですが、当然真実を元にした反論が来る。
それにも動じず、あたかも自分が正義であるかのように振る舞うことは、ガラスのハートを鍛えることにつながりますw
おわりに…
ルールを読んで、となりの人に話を聞いてもいまひとつ飲み込めないような中でゲームに参加したわけですが、本当に奥の深いゲームです。
僕はまったくウソを考える余裕がなく、質問されたときにバカ正直に答えちゃったんですけど、そしたら「今のタイミングでそんなことを明かしても何一つ得しないよね?ウソなんじゃね?」みたいな展開になって、本来なら真っ先に食い殺される役割だったのに、なぜか最後まで生き残るという波乱までありました(笑)
初めてプレイする人のうっかり発言すら疑って捉えて、それをベースに論理を組み立てるというのは並大抵の技術じゃありません…。
今や会議で主張を通すような必要もなくなりましたが、その技術はカッコいいので人狼の腕も磨いてみようと思います(笑)