「好きなことを仕事にしよう!」という話をしたときに、ほとんどの人は「そんなの無理」と考えますよね。
一番多い理由は、「好きなことを仕事にすると、好きなことが嫌いになるから」というやつで、その原因は「好きなモノ・コトを扱って、嫌なことをするから」です。それはこっちの記事に書きました。
次に多いのが、もっとタチの悪いパターンで、「好きなことを追求できないのは社会のせいだ」という責任転嫁タイプ。
つまり、「みんなが嫌がるような仕事でも、誰かがやらなきゃいけないこともある。だから全員が好きなことを仕事にするのは不可能」ということ。
分かりやすいのは、いわゆる3K(危険・汚い・キツい)職種。たとえば清掃とか汚物処理といった仕事です。
もちろん、今の僕がそういう仕事をしたいかと聞かれれば、やりたくありません。
しかし、全ての人が好きなことを仕事にすると、そんな仕事でもやりがいを感じる人が必ず現れて、「全員が好きなことを仕事にする」ことが実現できるようになります。
ヒント:「やりがいのある仕事」
あなたも、「やりがいのある仕事」がしたいとは思っていますよね?
ここで、20年の人生の中でまず出会わなかったのに、就活ではやたら多用することになる「やりがい」という言葉を考えてみましょう。
僕は面接官も担当していましたから、「◯◯の部分にやりがいを感じます」というアピールをたくさん聞いてきました。
表現は色々ありますが、結局のところ「感謝」か「達成感」のどちらかです。
- 感謝:自分の仕事で他人を喜ばせることにより、感謝される。
- 達成感:自分の仕事が、世界や社会に影響を与えたことを実感すること。
ここを押さえた上で、「全ての人が好きなことを仕事にした世界」を想像してみましょう。
全ての人が好きなことを仕事にした世界の基本系は、相互依存のWin-Win
では、明日からいきなり全人類が好きなことだけ始めたとします。
収入も地位も名誉も迷惑も一切気にせず、「生きる」ことと「好きなことをやる」だけをひたすら追求する世界です。
すると、音楽好きはひたすら作曲や演奏に打ち込みます。
すごく楽しんだけど、何かを食べないと死んでしまう。でも料理はしたくない。
そんなときは、どこかにいる料理好きが、食べきれない量の料理を作って楽しんでいるので、その人から料理を分けてもらえばいい。
この人は、別にお金のために料理しているわけではなく、ただ好きで作っていて、余った分を音楽好きが処理してくれるわけです。むしろありがたいことですから、お金をもらう必要がありません。
なので、音楽好きとしても、別に音楽でお金を稼ぐ必要はなく、ただ好きな音楽を作って楽しんでいればいいわけです。
誰もが嫌がる仕事は、最高のやりがいがある仕事になる
では、音楽好きや料理好きがいたとしても、ゴミ収集やトイレ掃除が好きな人は…?
いたとしても、需要に対して供給が少ないでしょうね。
すると、みんな好きなことにひたすら集中して、ゴミ収集や掃除が追い付かなくなり、街中にゴミが溢れ、トイレというトイレはとにかく汚い…という地獄絵図になります。
不衛生な環境ですから病気のリスクも高まり、人々が好きなことを楽しめない状態に陥ります。
これが、「全員が好きなことを仕事にするのは不可能論者」の想像する世界ですが…実はその先があります。
たしかに、危険で汚くてキツい作業をやりたい人は少ないですが、「やりがいを感じる仕事をしたい」と思う人はたくさんいるんですよ。
「人を喜ばせて感謝される仕事をしたい」、「世界を変えて達成感を感じる仕事がしたい」という人は、たくさんいますよね?
この、誰もが好きなことをやった結果生まれた、不衛生な地獄絵図ワールドで「ゴミ収集します!」という人が現れたらどうなると思いますか?
作業自体はゴミ収集ですが、回りの人からみれば「自分が好きなことをしていられる世界を維持してくれる、神様のような人」という扱いを受け、尊敬されます。
そうなると、「なんとしてもこの人には頑張って欲しい!」と考え、料理好きは最高の料理を提供し、建築好きは素晴しい家を建て、そこら中の「◯◯好き」が、その人への感謝の印として各自の最高傑作を提供することになります。
そして、こんな世界におけるゴミ収集という仕事は、「やりがいを感じる仕事をしたい」という人にとっての「好きなこと」です。
なぜなら、上記の通り、人々からは感謝の嵐で神様のように扱われ、しかも地獄絵図ワールドをキレイにするという、ものすごい達成感を得られる仕事だからです。
オマケに、人々からの感謝の証として最高のモノやサービスを提供されるわけですから、今風に表現すれば「最高にやりがいがあって、やった分だけ評価される、超高収入の仕事」ということになります。
これだったら、それが3Kなお仕事だったとしても、「ぜひやりたい!」という人がいくらでも出てくると思いませんか?
まとめ
今回の記事、「全員が好きなことを仕事にするなんて不可能」という意見に反論したいがために、なかなかイメージしにくい世界の話になってしまいました。
でも、理論上は実現できることはお分かりいただけたと思います。
そして、今やブロガーやYouTuberに見られるように、ひたすら好きなことを突き詰めることで、幸せに生きていける可能性はどんどん高まっています。
実現可能性を抜きにすれば、好きなことだけやって幸せに生きられるのなら、それは夢のような人生ではありませんか?
だとすれば、「仕事=好きなことを極めていくための道具」と考えて、好きなことを活かせる仕事を見つけて欲しいと思うわけです。