趣味を活かして就職活動をしようとすると、真っ先に思い浮かぶ発想が「◯◯が好きだから◯◯業界」というものですよね。
とりあえず、よく見かけるものを並べてみました。
- ディズニー好きだから、オリエンタルランド志望
- ゲームが好きだから、ゲーム業界志望
- 音楽鑑賞が趣味だから、音楽業界志望
- アニメが好きだから、アニメーター志望
- 車が好きだから、自動車メーカー志望
- 飛行機に興味があるから、航空会社志望
- 旅行好き(とか世界一周とか)だから、旅行会社志望
- パソコン自作が好きだから、電機メーカー志望
- 鉄道マニアだから、鉄道会社志望
ただ、業界を代表するような会社にはそう簡単に入れないことも事実。
「日本一クルマに詳しい大学生」だったとしても、売りがそれだけだったらトヨタ・日産・ホンダ・マツダ・スバル・三菱・スズキ・ダイハツを全て受けても全滅するでしょう。
そこで、ひしめくライバル達と差別化する方法を紹介します。
どんな業界でも考え方は一緒
一般的には、「◯◯好きだからと書くと落ちる」と言われたり、リクナビの人事担当者インタビューとか見ても、「そこは重視してません」って言いますよね。
にも関わらず、自己分析が甘いとこれぐらいの切り口しか思い付かないために、それを書いてしまってわざわざ激しい競争の中に飛び込んでしまうんです。
つまり、「好きだから」とあなたが書いたり、面接で話したりしなければ、それだけで差別化になるんですよ。
これは「◯◯好き」が集まるどんな業界でも一緒です。
まずは、「なんとなくそこが好き」というだけではないと思わせる
とはいえ、「◯◯好き」と書かないだけでは、なんのアピールにもなりません。
だからといって、「なんとなく」レベルではないことを示すために、熱烈なファンとしてのアピールや、ディープな知識を披露することは逆効果です。
会社が欲しいのは商品に詳しい人ではなく、会社を儲けさせてくれる人だからです。
また、冒頭に書いたとおり、たとえ一番詳しかったとしても、それは内定の決め手にはなりません。ほぼ確実に、あなたよりもっと詳しいライバルがいますから、そこで勝負すると負けます。
差別化=ライバルがやってないことをやること
では、どうやって差別化するかというと、2つの方法があります。
- 好きなものに触れずに、会社が儲かる方法を話す
- マイナーな事業や、就活生に不人気な事業を成長させる方法を話す
分かりやすいので、この先はディズニーランドで例えますけど、どんな業界でも一緒です。あなたが本当に好きなテーマであれば、そういうマイナーな部分もきっとご存知のはずです。
気になる人は、当サイトの「お問い合わせ」から聞いてみて下さい。面白そうなテーマであれば、考えてみたいと思います。
では、具体例です。
オリエンタルランドの志望動機に、「夢の国」っぽさをまったく感じない、だけどうまく行ったらなんだか儲かりそうな仕事をしたいと書くんです。
「羽田空港とディズニーリゾートを結ぶ水上バス航路を開設し、高い付加価値を用いて収入につなげる」とか。
ESでも面接でも、志望動機の冒頭がそんな内容だったら「とりあえず面接官が食い付く人の上位20%」ぐらいには入ります。もちろん、そこから話す内容はあなたなりにプランを考えたり、過去の経験からエピソードを紹介して、それを仕事に応用できることを説明する必要があります。
まぁ、水上バスなんていう話は、今まで何人も思い付いていて、何か理由があって実現していないんだとは思います。でも、快適性・安全性・法律・維持費など様々な側面からリサーチして、あなたなりの結論を導き出せれば、「ビジネスの考え方は理解している」とは受け取ってもらえます。
そして、「就活のためにそこまでリサーチしたの!?」というインパクトを与えることができれば、あなたの本気度を示すことにもつながります。
繰り返しますが、「こんなことできない!とにかくディズニーへの愛を示すしかない!」といって10年分の年間パスポートを見せつけるとか、そういうのは逆効果ですからね!
同じ中身のESが続くと、それだけでイヤになる
僕は採用担当(オリエンタルランドじゃないですよw)としてエントリーシートを見る立場でもあったので分かるんですが、「よくあるフレーズ」が続くと、他にどんないいことが書いてあっても、「またか…」と感じて印象が悪くなるんですよ。
特に多かったのは「グローバルな仕事をしたい」っていうやつです。この言葉を見ると、「グローバルに何をしたいんだ??」と、いまいち響かなくなります。申し訳ないんですけど。
なので、僕より多くのESを見ている人も同じ思いだと思いますよ。「2秒読んで、もっと読むかどうかを考える」なんていう話もあるぐらいですからね。
マイナー事業の話をして、本当にその事業に配属される不安
あなたがその会社で本当にやりたい仕事があったとすると、その意思に反してマイナー事業の話をすると、そのまま配属されるんじゃないかという不安があると思います。
ハッキリ言います。たしかにそのリスクはあります。
ただですね、内定を得られない限り、その会社で働くことすらできないわけですよ。
ディズニーランド大好きで、ショーの企画に関わりたいと思っている人が、オリエンタルランドの総務部で働くのと、まったく関係ないどこかの銀行で働くのと、どっちが楽しいかということです。
オリエンタルランドに入社できれば、ローテーションで花形部署に異動できる可能性もあるわけですから、まずは選考を突破して入社することを考えましょう。
まとめ:まずは差別化
好きなことに携われる会社に人が集まるのは当たり前ですから、「好き」以外のことをアピールしないと、その他大勢に埋もれてしまいます。
もし本当にその会社でやりたいことがあるのなら、「なんとなく好き」レベルの人は気付かないような目の付け所が必ずあるはずです。そこについて、ファンではなくビジネスという視点から深掘りして考えましょう。
仮にあなたが日本一その会社が好きで詳しかったとしても、「好き」と書いた瞬間に「好きグループ」に放り込まれて、不毛な競争に巻き込まれることになっちゃいますから。