「趣味を仕事にする」って夢のような話に聞こえますが、実際にアンケートを取ってみると、賛成・反対がほぼ半々になるそうです。
僕は「趣味で就職コンサルタント」を名乗っているぐらいなので、もちろん趣味を仕事にするべきだと思っています。なので、新卒の就職活動から趣味一筋でやってきて、今や会社まで辞めてしまいました(笑)
そこで今回は「趣味は仕事にしない方が良い」という、逆の立場の人の意見を調べてみました。
すると、趣味を表面的にしか捉えていないことが原因だと分かり、もっと本質的な部分を突き詰めていくことで、趣味を活かしながら仕事を楽しめることが分かりました。
これを見つける方法は、「なぜその趣味を持ったのか?」と自分に聞くことです。
趣味を仕事にするべきでないといわれる3つの理由
反対派の方の意見は、大きく分けると以下の3つに大別されます。
- 趣味を仕事にすると、趣味が嫌いになる。
- 仕事の目的はお金を稼ぐこと。趣味はレクリエーション。一緒にしてはダメ。
- 趣味レベルのことを仕事にしても、お金をもらえるレベルにはならない。
それでは、ひとつずつ解説していきます。
趣味を仕事にすると、趣味が嫌いになる
これはたとえば、「コーヒーが好きだからカフェで働く」とか、「パソコンが好きだからプログラマーになる」といった具体例で説明されることが多いです。
その結果、「1日中休む間もなくコーヒーを入れ続ける毎日で、コーヒーの匂いがするだけで気分が悪くなる」とか、「厳しいノルマに追い回されて、夜中までひたすらコードを打ち続けていたら、PCの前に行きたくなくなった」という悲劇的な結末を迎える、というもの。
こうなってしまったのは、「コーヒーが好き」なだけで「コーヒーを提供する仕事」を選んでしまったからです。
もし「コーヒーを味わう仕事」に就いていれば、違う結果になっていたと思いませんか?
仕事の目的はお金を稼ぐことで、趣味はレクリエーション。一緒にしてはダメ。
言っている意味は分かりますが、仮に仕事と趣味が一致するのであればそれは理想の姿ですよね?
プロのスポーツ選手が良い例です。彼らはお金を稼ぐために嫌々でプレーしているわけではないですよね?
ただ、ここで勘違いしやすい点がひとつあります。彼らはもちろんそのスポーツが好きだからやっているわけですが、それだけでは厳しい練習を乗り越えるモチベーションを持ち続けることはできないでしょう。
では何をモチベーションにしているかといえば、「世界一になりたい」・「己の限界に挑戦したい」・「自分のプレーを通じて人々に希望を与えたい」といった思いです。
スポーツ選手って、結構こういうことを言ってませんか?
趣味レベルのことを仕事にしても、お金をもらえるレベルにはならない
これは逆に考えると「お金をもらうためには趣味レベルでは足りず、プロ級の腕前を持つ必要がある」ということです。まぁ、そりゃそうですよね(笑)
ただ、ちょっと考えてみると、趣味レベルではお金にならない→だから趣味とは関係の無い仕事をしなさい、と言っているわけですよね?
ここで矛盾が生じます。
趣味を活かさずに仕事を選んだ場合、趣味レベルにすら達していない、触れたこともない知識を使って仕事をすることになります。趣味レベルではお金にならないのに、未経験でお金を稼げとはどういうことでしょう?(笑)
たしかに、入社してから3年ぐらい勉強すれば、入社時に未経験だった仕事でも一通りこなせるようにはなりますよ。
でも、趣味として元々好きだったことを仕事にして、そこから3年さらに勉強したら、趣味レベルを超えてプロ級に近付けるのではないでしょうか?
その趣味を持ったきっかけを思い出して、それをできる仕事をすればいい
というわけで、冒頭に書いた「なぜその趣味を持ったのか?」というお話です。
冒頭のコーヒー好きの人がコーヒー嫌いになってしまった例を用いると、コーヒー好きになったきっかけが「コーヒーを入れる作業がものすごくエキサイティング!一生やっていたい!」だったとすれば、カフェ店員として1日中やっていても嫌にはなりませんよね?(笑)
一方で、きっかけが「コーヒーの味や香りが好き」なんだったとすれば、今度は「なぜコーヒーの味や香りが好きになったのか?」を思い出します。
ここで、「コーヒー豆のバイヤーになりましょう」みたいな結論に持って行っても考える練習にならないので…。
たとえば、コーヒーを好きになった理由が「彼女にフラれてどん底の気分だった時、スタバに入って飲んだコーヒーがとても美味しく、身も心も温まった」とか(笑)
だとすれば、この人はコーヒーを飲むことで、その時のような安心感を感じたいと思っているかもしれません。そうであれば、コーヒーがあるからといってカフェで働くのではなく、安心感を与えることに繋がる仕事をすればいいんです。
そうすれば、「あの時の自分のように、どん底にある人を助けてあげたい」といった思いをモチベーションにして仕事ができますよね?
まとめ:趣味の奥にある思いを活かせば、趣味を仕事にできる
趣味を仕事にしたいと思ったら、「なぜその趣味を持ったのか?」を問いかけ続ける。
そこから出てきた答えを元に仕事を決めれば、趣味が嫌いになる心配はありません。
コーヒーを入れる作業が大好きだったのであれば、仕事でコーヒーを入れ続けていく中でさらにテクニックを学んでいって、家でも会社でもぐんぐん上達していくでしょう。
一方、「コーヒーでどん底の自分が救われた経験」がきっかけの人であれば、どん底の人を救ってあげる仕事をたくさんしたとしても、自分がコーヒーを飲む時はあの時のように落ち着くことができる。
これは「世界一になりたい」という思いで厳しい練習をし続けても、そのスポーツも好きであり続けることができるスポーツ選手と一緒です。
「表面上の趣味」に惑わされず、あなたが好きなことがなんなのかをしっかり見極めて、仕事に活かしていきましょう。