心の中にある「障害者なんていなくなればいい」を認識することが、差別をなくす第一歩

心の中にある「障害者なんていなくなればいい」を認識することが、差別をなくす第一歩

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7月26日に発生した、障がい者支援施設における殺傷事件。

連日報道されていますが、どうも植松容疑者の残虐性・異常性にフォーカスした報道が多く、これでは再発防止につながらない気がしています。

というのも、彼が語ったとされる「障害者なんていなくなればいい」という言葉が気になりました。

これ、誰だって心の中で思ったことありますよ。

もちろん「障がい者は死んでしまえ!」という意味ではありません。

でも、混雑した駅で車イスの方のためにエスカレーターが止められたりすると、「あー、もう急いでるのに!車イスかよ~。」と思っちゃうことはあるわけです。

こういう誰にでもある感情が、事件の引き金だと思うんですよね。

「植松容疑者が異常なんだ」と考えると本質を見落とす

冒頭にも例を挙げましたが、日常の様々な場面で差別的な行動を取ってしまうことはあるんです。

それ自体は仕方がないこととして、まずはそういうものだと認めましょう。

みんなの心の中にある「障害者なんていなくなればいい」

たとえばこんな感じです。

  • 電車の中で精神障がい者が叫んでいたので、車両を移った
  • 人混みの中で視覚障がい者とぶつかって、機嫌が悪くなった
  • 高級レストランに盲導犬を連れた視覚障がい者が入ってきて、「こんな店に来ないでよ」と思った

もちろん、そこから危害を加えるようなことはしないでしょう。

すぐに「あっ、障がい者か。申し訳ないことをした。」って思い直しますよね。

なぜなら、「差別してはいけません」という教育を受けていて、差別を禁じる法律もあるからです。

ここで僕が言いたいのは、誰にだって差別的な考え方を持っているけど、それを教育や法律による理性で抑えているということです。

植松容疑者も始めは「普通の人よりいい人」だったはず

今回の事件の容疑者は、現場となった施設の元職員。

どういった経緯で就職したのかは知りませんが、少なくともこういった福祉系の仕事は人気職種ではありません。

報道によれば「人の役に立つ仕事がしたい」と話していることもあったそうなので、志望して就職したのではないでしょうか。

だとすると、差別するような人とは対極に位置する「いい人」だったと思うんですよね(あくまで推測です)。

ということは、「いい人だったのに、理性で抑えきれなくなる何かがあって犯行に及んだ」ということになります。

「障がい者に対して感じるストレス」と「我慢の限界」を数値化して考える

まずゲームっぽく例えてみます。

攻撃力:30という能力を持ったAさんと、防御力:50のBさんが戦ったとします。

この時、BさんはAさんから攻撃を受けても、防御力が高いBさんは無事です。

でも、攻撃力:60のCさんに攻撃を受けたら、Aさんは防ぎきれずにやられてしまいます。

この攻撃力を「障がい者に対して感じるストレス」、防御力を「ストレスを我慢できる限界値」と置き換えます。

※考えやすくするために数値化しているだけで、障がいの程度や優劣を示す意図はなく、数値の大小にも根拠はありません。また、「障がい者の存在はストレスだ」とか「障がいは健常者に対する攻撃だ」などという意図もありません。

障がい者に対して感じるストレス

  • 混雑した駅構内で、ゆっくり進む車イス:20
  • 電車の中で意味不明なことを叫んでいる人:40
  • 多くの支援が必要な重複障がい者:80

我慢の限界値

  • 支援施設職員:90
  • 家族:70
  • いい人:50
  • 普通の人:30
  • イライラしてる人:10

基本的な考え方

電車の中で叫んでいる人のストレスは40ですから、50まで我慢できるいい人は何もしません。

この時、30までしか我慢できない普通の人は、我慢しきれない分の10の行動として他の車両に移る。イライラしてる人は10までしか我慢できず、差が30もあるので殴りかかる。

…という風に考えてください。

受け手・障がい者それぞれの事情により補正値が入る

ただ、これだと重複障がい者(80ストレス)を支援施設職員(90ガマン)が殺害した説明がつきません。

なので、そこには補正が入るのだと考えました。

受け手側の補正値

普通の人(30ガマン)でも、たとえばキング牧師(アメリカの黒人差別撤廃を目指した人)に詳しいような人だったら、電車の中で叫んでる人(40ストレス)がいても差額の10ポイントを0にできると考えてみました。

つまり、教育による知識・法律による強制力・外部からの支援といった要素によって、自制できることもあるということです。

政府による障がい者支援政策はこちらに重きを置いていますね。

しかし逆に、今回の植松容疑者が語ったとされる「ヒトラーの思想が降りてきた」という言葉に見られるように、むしろ行動をエスカレートさせるような教育・思想も存在します。

つまり、重複障がい者(80ストレス)と支援施設職員(90ガマン)の差は-10で余裕がありますが、過激思想によりこれが30とか50にひっくり返るということです。

「それが植松容疑者の異常性だ」という見方もあります。

ただ、どちらかといえばIS(テロ組織)に共感して加入する若者のような感じで、「普通の人でも過激思想に染まることがある」という見方をした方が、再発防止には役立ちます。

障がい者側の補正値

全然報道されず、かつ僕が主張したいポイントはここです。

たとえば、ゆっくり進む車イスの障がい者がイケメン(or 美女)だったり、電車の中で叫んでる人がスティービー・ワンダーだったら、差別的行動をする人は減りますよね?(笑)

もう少しマジメに考えると、意味不明な言動を延々としているような人でも、ずっと暴言を吐いているのと、笑顔で楽しそうに妄想を話しているのでは、支援者の行動にも違いが出てきます。

つまり、障がい者側のキャラクターや才能を高めることでも、差別的行動は減らせるということです。

次のページ:障がい者のキャラクターや才能を磨いて差別を減らす方法

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